ムスビテ

【 不揃いの美 】
 
このところ
寸暇を見つけては
納屋を造っている。

たかが納屋
しかも内側なんて
見えがかりもしないのだから
どうだっていい
などとは思わない。
されど納屋。
せっかくならば
美しくあってほしい。
手をかけるのは
よろこびだ。

資材は
折にふれて
ありがたく手元に集まって来てくれる
古材や廃材、間伐材
製材所の端材や
大工さんのハネダシ材
等々。

つまりは、ゆくゆく
捨てられたり
燃されたりする運命にあった
こうした材たちは
反り、割れ、歪んで、暴れ
素性も寸法も不揃いで
まして素人の自分には
じつに扱いにくい。

造作に用いるには
手間ひま根気を要するが
材どうしの相性をかんじつつ
知恵の輪を組むような工夫をこらし
失敗しては
また やり直し
水平・垂直・勾配や
切り欠き、接ぎ等キッチリきめて
おさめることに成功すると
不揃いならではの美が
しずかに、立ち現れてくる。

それがとても嬉しくて
タイヘンと言えば
タイヘンな作業が
楽しくてしかたないのです。