【 子バカ 】
わが子の自慢が「親バカ」なら
わが親の自慢は
さしずめ、「子バカ」でしょうか。
今日は、わが母の誕生日。
ちなんで、子バカな話です。
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数年前
父と 兄と わたし とで
母の、喜寿のお祝いをした。
会場は
母さんの好きなものを出してくれる
母さんの行きたいお店がいいよね
と
父や兄と話していた。
母に訊ねると
「焼肉屋さんがいい ♪ 」
と言う。
母は昔から肉を食べない。
なのに、なぜ
焼き肉屋さんがいい、のか？
母は
「アンタ達の喜ぶ顔を見るとが嬉しいけん♪」
と言う。
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わたしと兄が子供の頃
ときどき焼肉屋さんに連れていってもらった。
それは特別なご馳走で
父・兄・わたしが大喜びで食べてる横で
肉を食べない母は
ニコニコ笑って肉を焼き
キャベツとキムチでご飯を食べていた。
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結局
母の喜寿は
焼肉屋さんでお祝いした。
母は
ワイワイ焼肉を食べる子や孫をながめつつ
始終ニコニコ
とても嬉しそうだった。
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そんな
母のありようには
「わたしはいいの」的な「自己犠牲」とか
「あなたのために」的な「愛の強要」とか
ひょっとしたら 紙一重かもしれないものが
１ミリも
感じられない。
まったくもって自然に普通に。
純粋な母の愛というのだろうか。
そのような懐に抱かれて
わたしと兄は育ててもらった。
なんとありがたいことか。
大好きな母ちゃん
お誕生日おめでとう。
生まれてきてくれてありがとう。
わたしを産み育ててくれてありがとう。
近いうち会いにいくけん。
元気でね。